歴史

(宮廷)バレエは、フランスでどのように発展していった?

イタリアで生まれた「宮廷舞踊」がカトリーヌ・ド・メディシスによってフランスに伝わり、「バレエ」という言葉も誕生し、バレエ作品も上演され始めました。

ではその後、(宮廷)バレエはフランスでどのようになっていったのでしょうか?

今回は、(宮廷)バレエがフランスでどのように発展していったのか、を分かりやすく簡潔に説明していきます♪

(宮廷)バレエはフランスでどのように発展していった?

カトリーヌ・ド・メディシスによってフランスに「宮廷舞踊」が伝わり誕生した「バレエ」は、

17世紀、ルイ14世の時代に第一回目のバレエ黄金期を迎えました。

ルイ14世は、1661年にパリに王立舞踊アカデミー(現在のパリ・オペラ座バレエに繋がる)を創設し、この時代に、バレエは体系化されました。

その後、19世紀初め、「ロマンティック・バレエ」によりバレエは花開き、この時代にトゥシューズも生まれ、ポアントで立つ技術も誕生しました。

では、具体的にどのようにどのように発展していったのでしょうか?

①バレエ作品誕生後~ルイ14世時代以前までのバレエ、②ルイ14世の時代の(宮廷)バレエと、③ロマンティック・バレエの時代、に分けて、見ていきましょう。

 

バレエ作品誕生後~ルイ14世時代以前までの(宮廷)バレエ

フランスで生まれた(宮廷)バレエは、以前ご紹介した『ポーランドのバレエ』や『王妃のバレエ・コミック』の作品上演後にも、いくつかの作品がフランス宮廷や貴族の館、大司教館などで上演されていました。

その頃上演されていたバレエ作品は、『ポーランドのバレエ』や『王妃のバレエ・コミック』とは少し形を変え、踊る場面も増えて舞踊的な見どころが豊富になったり、少し前の神話を題材とした内容からロマネスク(現実の論理や事象の枠を超えた幻想世界)な内容に変化したり、より派手なものになっていったといいます。

また、ルイ14世の父であるルイ13世も、とてもバレエを好み、色々な役を演じていました。

彼が踊った『ルノーの解放バレエ』という作品もまた、『王妃のバレエ・コミック』などと同様、政治的意図の強い作品で、彼はこの作品で政権への意志を明らかにしたといいます。

世間ではバレエの人気がますます高くなり、バレエの傾向もまた、政治的意図の強い作品だけでなく、日常や噂された恋愛事情などを題材としたものも増えていきました。

 

17世紀、ルイ14世に第1回目の黄金期を迎えた(宮廷)バレエ

そして、17世紀、ルイ14世の時代となると(宮廷)バレエは急速に発展していきます。

ルイ14世もまたバレエ好きで、スター性を兼ね備えたダンサーでした。7歳からバレエ教師のピエール・ボーシャンにバレエを教わり、日々稽古に励んでいました。

そのため、宮廷人のバレエ熱は一段と高まり、必須教養として認められるようになり、王(ルイ14世)に近づくには、バレエを踊れることが重要とされました。

そして、ルイ14世がバレエに熱中したこともあって、この時代にバレエの基礎が作られ、ルイ14世のバレエ教師ピエール・ボーシャンによって、現在でも大変重要な「5つの足のポジション」が体系化されました。

また、舞踊教師であったラウル・フイエが「舞踊記譜法」を編み出し、バレエを後世に伝え、継続するための体系化の多くがルイ14世の時代に生み出されました。

そして、王立舞踊アカデミーも創設され、教育システムも作られました。

 

ロマンティック・バレエの時代

ルイ14世時代の後、19世紀の初めに「ロマンティック・バレエの時代」を迎えました。

「ロマンティック・バレエ」とは「ロマン主義バレエ」という意味です。ロマン主義は、18世紀末から19世紀初めにヨーロッパ全体に巻き起こった一大思潮で、感受性や想像力を重視しており、異国への興味や夢、幻想、妖精という形で表現されていました。

そうした中、バレエにおいても妖精やこの世のものではない存在を表現するようになり、トゥシューズやロマンティック・チュチュが誕生しました。

そして、あの有名なマリー・タリオーニなどをはじめとした多くの女性ダンサーが活躍し、現在も踊られている『ラ・シルフィード』や『ジゼル』が誕生しました。

 

まとめ

(宮廷)バレエは当初、政治的意図の強い作品が多かったが、人気の高まりと共に、日常などを題材とした作品が増え、少しずつ形を変えながらより派手なものになっていった。そして17世紀、バレエに熱中したルイ14世の時代に黄金期を迎え、「5つの足のポジション」などの体系化が多く生み出された。その後、19世紀初めに世の中の「ロマン主義」の流れと共に「ロマンティック・バレエ」が生まれ、トゥシューズやロマンティック・チュチュが誕生した。

 

【次に読みたい】 ルイ14世時代の(宮廷)バレエとは?

今回は、(宮廷)バレエがどのようにフランスで発展していったのかをご紹介しました。

では、バレエの多くが体系化されたルイ14世の時代の(宮廷)バレエとは、具体的にどのようなものであったのでしょうか?

次回は、ルイ14世時代の(宮廷)バレエについてご紹介していきます。

ABOUT ME
バレリコ
バレエ歴・鑑賞歴20年以上の20代女子、バレリオです♪ クラシック・バレエからコンテンポラリーまで、幅広いジャンルの公演を鑑賞しています。 好きなバレエ団はパリ・オペラ座バレエ、パリまで観に行くこともあります!